【コーヒーの基本】エスプレッソの基礎知識「エスプレッソとは?」

コーヒー

こんにちは、かつコーチです。

「エスプレッソ」といえば、それは小さなカップに入った、

濃厚で香り高く深い味わいのコーヒーのことを思い浮かべることと思います。

今回は、絶妙なバランスの抽出方法で生み出されているエスプレッソについて、

ご紹介します。

エスプレッソとは?

イタリア生まれのエスプレッソは、ゆっくりと深く焙煎したコーヒー豆を、

極際に挽き、専用のマシンを使って高い蒸気圧をかけて、

20~30秒という短時間で抽出したコーヒーのことです。

その濃厚で官能的な香りの高さは、同じコーヒーでも、

ドリップ式のそれとは、全く違う飲み物といっていいでしょう。

イタリア・エスプレッソ協会(INEI)は、

エスプレッソを以下のように定義付けています。

<1杯あたりのエスプレッソの定義>

  • コーヒー豆の量・・・7g ± 0.5g
  • 飲用温度・・・67℃ ± 3℃
  • 抽出の圧力・・・9気圧 ± 1気圧
  • 抽出時間・・・25秒 ± 5秒
  • 抽出量・・・25㏄ ± 2.5㏄

この定義に基づいて、最適な抽出条件で淹れたエスプレッソは、

表面にヘーゼルナッツのようなツヤのある茶色い泡が現れます。

この茶色いムース状の泡を「クレマ」と呼びます。

イタリア語で「クリーム」を意味し、時間が経っても消えずに、飲み終わったカップにも、その一部が残るのが特徴です。

参考:イタリア・エスプレッソ協会(INEI)日本公式Webサイト

エスプレッソの歴史

イタリアでは、コーヒーといえば「エスプレッソ」を指すほどに、

ポピュラーな飲み物です。

エスプレッソの語源

「エスプレッソ(espresso)」とは、イタリア語であり、

イタリア語で「速達」や「急行列車」などの「急速」を表す意味があり、

それが語源であるという説があります。

イタリアでのエスプレッソの誕生

17~18世紀、イタリアでは、すでにコーヒーが飲まれていました。

エスプレッソは、イタリア人の実業家ルイジ・ベッツェーラが、

高圧力を利用したコーヒー抽出用の機会を考案したことから始まります。

1905年、デジデリオ・パボーニが特許権を得て、機械の製造販売を開始し、

1906年4月16日開催のミラノ万博で初めてルイジ・ベッツェーラが考案した、

蒸気圧の機会で抽出したエスプレッソがお披露目されました。

「Cafe Espresso」と表記された小さなカップに注がれた、

濃厚で香りのあるエスプレッソは、多くの人に賞賛され、

それからは瞬く間に世界中に広がったと言われています。

また、4月16日は、ミラノ万博の開催日にちなんで、

イタリア国際カフェテイスティング協会(IIAC)が、「エスプレッソの日」とし、

この日は、イタリアを始め日本でも様々なイベントが開催されているようです。

アメリカでのエスプレッソの歴史

エスプレッソが、アメリカで広まるきっかけになったのは、

1975年に起きたブラジルの大霜害だったそうです。

この大霜害によって、コーヒーの多様化が図られました。

さらに後押しをしたのは、ヨーロッパでのエスプレッソマシンの自動化の普及です。

腕の良いバリスタがいなくても、一定のレベルで抽出できる自動式マシンが登場し、

エスプレッソを提供するカフェの出店が、これまで以上に容易になりました。

そんな中、現在のスターバックスのCEOハワード・シュルツが、

アメリカでのエスプレッソの将来性に着目しました。

当時、調理器具や家庭雑貨のセールスを行っていたハワード・シュルツは、

1982年にシアトルの焙煎業者であったスターバックスに入社します。

仕事でイタリアを訪れた際に、多くのカフェで本場のエスプレッソを味わい、

アメリカでのビジネスチャンスを見出したのです。

イタリア人の生活の一部にもなっているエスプレッソを、

アメリカ人にも味わって欲しい。

ハワード・シュルツは、スターバックス社を退社し独立を決意しました。

まず、1986年実験的店舗を出店し、大成功を収めました。

その後、1987年には勤務していたスターバックスを買収し、

そして全米から世界へと展開していきます。

アメリカのエスプレッソはアレンジメニューが多いことが特徴ですが、

ベースとなっているのは本場イタリアのエスプレッソです。

日本でのエスプレッソの歴史

日本のエスプレッソの歴史は浅く、1980年代半ば以降からです。

日本では、明治時代からカフェがあり、1950年代には「喫茶店」として、

全国に広がりました。

コーヒー文化は広がっていたものの、エスプレッソは個人レベルでした。

エスプレッソが普及しない理由としては、日本とイタリアの食文化の違いです。

日本の喫茶店が「長い時間くつろぎながら語り合う場」としてイメージされていて、

短時間で淹れて、短時間で飲むイタリアのエスプレッソ・バールやカフェとは、

コーヒーを楽しむ文化が違っていたからです。

しかし、1980年にドトールコーヒーショップが出店してから、

日本は喫茶店ブームが終わり、生き残り競争が激しくなりました。

カウンターで注文し、飲み終えたら片付けるというセルフサービス形式は、

席で注文する従来のスタイルとは違い、今となっては大きな支持を集めています。

その後、スターバックスを始め、アメリカから大型チェーン店がどんどん上陸し、

日本でも少しずつエスプレッソが受け入れられるようになって来ました。

エスプレッソの4つの要素

イタリアには、最適なエスプレッソを提供するための4つの要素「クアトロエンメ」という言葉があります。

4つ(クアトロ)の言葉の頭文字が「M(エンメ)」であることから、

「4M(クアトロエンメ)」と言われます。

MISCELA(ミシェーラ)ブレンド・・・混合

厳選されたコーヒー豆をバランスよく組み合わせることです。

単一品種を使用したストレート豆ではなく、複数種をバランスよく配合することで、

味が安定し、ボディ感も生まれます。

イタリアでは必ず5種類以上をブレンドしているそうです。

焙煎度合いは、イタリアではシティロースト~フルシティローストが使われます。

MACINATO(マチナート)メッシュ・・・粒度

最適に抽出できるコーヒー豆の挽き具合のことです。

エスプレッソは極細挽きで、ドリップコーヒーより細かく挽きます。

細かく挽けるだけでなく、粒度を均等にすることのできる、

専用のグラインダーが必要です。

抽出時に、エスプレッソ30㏄に対して、25秒前後で抽出できるように、

粒度を調節する必要があります。

MACCIHINA(マッキナ)マシン・・・機器

最適に抽出できるマシンです。

抽出時に9気圧の圧力をかけて、90℃のお湯で抽出できる機器が必要です。

MANO(マーノ)腕・技術・・・バリスタ

豆、機器が全て揃っていても、それだけでは不十分です。

それらの管理、使用方法を熟知している人の力が必要です。

抽出技術、衛生管理、メンテナンスの知識、接客なども重要な要素です。

専門知識と熟練の技を持ち合わせたバリスタが淹れるエスプレッソは、

完成度が高いです。

まとめ

以上、今回は、「エスプレッソ」の基礎的なことについてご紹介しました。

コーヒーを楽しむ上で最も基礎となるエスプレッソ、

その概念や歴史を知ることで、より一層コーヒーへの理解が深まると思います。

コーヒーについて知りたい方への参考になれば幸いです。

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