【Laravel】Laravel MixとViteの違いを解説

laravelアイキャッチ Laravel

こんにちは、かつコーチです。

2022年6月28日にこれまで使われていたLaravel Mixに変わって、Viteが採用されたようです。

そこで、Laravel MixとViteの違いについて解説します。

Laravel Mixとは?

Laravel Mixは、Laravelプロジェクトにおいてフロントエンドのビルドプロセスを簡略化するためのツールで、裏側ではWebpackを使用しています。Mixは、JavaScript、CSS、Sass、Less、画像、フォントなどのアセットをコンパイル、バンドル、圧縮するための便利なAPIを提供しており、Laravelにおいて長らく使用されてきました。

Laravel Mixの特徴

  1. 簡単な設定:
    • Laravel Mixは、開発者が簡単に使えるように設計されており、webpack.mix.jsという設定ファイルを使用して、必要な設定を記述できます。初期設定も簡潔で、基本的な構成であればほとんどカスタマイズが不要です。
  2. 豊富なプリプロセッサのサポート:
    • Mixは、Sass、Less、StylusなどのCSSプリプロセッサや、TypeScript、BabelなどのJavaScriptトランスパイルもサポートしています。これにより、フロントエンドの最新技術を簡単に利用できます。
  3. ホットリロード:
    • Mixは、npm run hotを使ってローカル開発環境でホットリロードを提供し、ファイルが変更されると即座にブラウザに反映されます。これにより、開発者は効率的にフロントエンドの開発が行えます。
  4. バージョニング:
    • mix.version()を使用することで、アセットにハッシュを付けてキャッシュをクリアする機能があり、キャッシュによるバグを防ぐことができます。
  5. 簡単なAPI:
    • 複雑なWebpackの設定を隠し、シンプルなAPIでコンパイルタスクを実行できるため、初学者でも容易に扱える点がMixの強みです。例えば、CSSやJavaScriptファイルの結合、圧縮などが簡単に行えます。

Laravel Mixの欠点

  1. パフォーマンスの低下:
    • Laravel MixはWebpackをベースにしているため、特に大規模なプロジェクトになるとビルド時間が遅くなりがちです。Webpackはモジュールの依存関係を解決し、バンドルするのに多くのリソースを必要とするため、ビルドが遅いと感じることが多くあります。
  2. 複雑なカスタマイズが必要な場合:
    • 基本的な設定は非常にシンプルですが、プロジェクトが大規模化したり、特殊な要件が出てきたりすると、Webpackの詳細な設定を理解する必要が出てきます。これが、初学者やミドルレベルの開発者にとって難しい部分となります。

Viteとは?

Viteは、より高速なフロントエンド開発体験を提供するために設計された次世代のビルドツールです。特に開発サーバーの起動速度やホットリロードが高速で、モダンなブラウザ機能を活用した効率的な開発環境を提供します。Laravel 9以降、LaravelのデフォルトのビルドツールとしてViteが導入されています。

Viteの特徴

  1. 即時サーバースタート:
    • Viteは、依存関係を事前にバンドルせずにブラウザでESモジュールとして直接提供します。これにより、サーバーの起動速度が非常に速くなり、すぐに開発を始めることができます。大規模プロジェクトでも、待ち時間なく開発を開始できる点が強みです。
  2. モジュールのオンデマンド読み込み:
    • Viteでは、開発時に必要なモジュールだけをオンデマンドでロードします。これにより、プロジェクト全体をビルドする必要がなく、初期ロードの速度が向上します。大規模なアプリケーションでも、必要な部分のみのビルドが可能です。
  3. ESモジュールの活用:
    • ViteはブラウザのネイティブなESモジュールを活用するため、ビルドプロセスがシンプルで高速です。モダンブラウザ向けに最適化されており、モジュールの依存関係をブラウザが直接解決します。
  4. ホットモジュールリプレースメント (HMR):
    • ViteのHMRは非常に高速で、ファイルが変更されるとその変更を即座に反映し、ページ全体のリロードなしにUIが更新されます。これにより、開発者はリアルタイムに変更を確認しながら作業できます。
  5. プラグインエコシステム:
    • Viteは、Rollupをベースにしており、既存のRollupプラグインを利用できるため、柔軟なカスタマイズや追加機能が容易に実装できます。また、VueやReactなどのフレームワーク向けプラグインも公式にサポートされています。

Viteの欠点

  1. 古いブラウザサポートの制限:
    • Viteはモダンブラウザの機能を前提に設計されているため、ESモジュールをサポートしない古いブラウザでは動作が難しい場合があります。このため、レガシーサポートが必要なプロジェクトでは工夫が必要です。
  2. SSR (サーバーサイドレンダリング) の複雑化:
    • Viteはフロントエンドのビルドツールとして非常に優れている一方、サーバーサイドレンダリング(SSR)に対応する場合は、設定や実装がやや複雑になることがあります。特に、既存のSSR構成をViteに適応させるには少し手間がかかります。

Laravel MixとViteの比較

項目Laravel MixVite
ビルド時間遅い、特に大規模プロジェクトで顕著非常に高速、特に開発環境でのサーバー起動
設定の複雑さ初期設定はシンプルだが、複雑な要件では難解初期設定が非常にシンプル
プリプロセッサSass、Less、TypeScriptなど多様なサポート同様にサポート、プラグインで拡張可能
ホットリロードホットリロードあり、しかし速度は遅め非常に高速なホットモジュールリプレースメント
カスタマイズWebpackの知識が必要Rollupベースで簡単にプラグイン追加可能
古いブラウザ対応対応可能モダンブラウザ向けがメイン

まとめ

Laravel Mixは、長らくLaravelにおける標準的なビルドツールとして使用され、

シンプルなAPIと柔軟な設定で多くの開発者に利用されてきましたが、

特に大規模なプロジェクトにおいてビルド速度が問題になることがありました。

一方で、Viteはその高速なビルドプロセスとシンプルな設定が特徴で、

特に開発環境での開発速度が大幅に向上しています。

ViteはモダンなESモジュールや高速なホットリロードを活用しており、

今後ますます主流になっていくことが予想されます。

タイトルとURLをコピーしました