【Laravel基礎学習19】Eloquentとクエリビルダーの違いを解説

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こんにちは、かつコーチです。

Laravelで開発するときにデータベースにアクセスするときに、Eloquentとクエリビルダーがあります。

今回は、それぞれの違いについて掘り下げて解説します。

Eloquentとクエリビルダーの違い

Eloquent ORM

Eloquentは、モデルを介してデータベースにアクセスする**オブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)**です。

テーブルのレコードをPHPオブジェクトとして扱うため、オブジェクト指向の感覚でデータを操作できます。

Eloquentはデータベースリレーションシップ(1対多、多対多など)や複雑なクエリも

簡単に扱えるよう設計されているため、開発者にとって使いやすく、メンテナンス性が高いです。

ただし、Eloquentは多くの抽象化が入るため、

SQLを直接実行するよりも処理に若干のオーバーヘッドがかかることがあります。

特に大量のデータや複雑なリレーションを扱う場合、パフォーマンスが低下することがあります。

このため、N+1問題などが発生する場合があり、

適切にwithなどを使ったリレーションのプリロードが重要です。

メリット:

  • オブジェクト指向的で扱いやすい
  • データベースリレーションシップを簡単に定義・操作できる
  • 高度な機能(アクセサ・ミューテータ、イベント、スコープなど)が豊富
  • 開発効率が高い

デメリット:

  • 大規模なデータセットや複雑なクエリではパフォーマンスが落ちることがある
  • シンプルなクエリには少しオーバーヘッドがかかる

クエリビルダー

クエリビルダーは、Laravelの中でSQLを簡単に構築するツールです。

SQLのクエリをPHPコードで組み立てることができ、

非常にシンプルな構文でデータベースへのアクセスが可能です。

Eloquentと比べて直接的にデータベースとやり取りを行うため、

余計なオーバーヘッドが少なく、効率が良いです。

ただし、クエリビルダーはEloquentのようにオブジェクト指向のリレーションシップ機能や、

モデルを使った柔軟な操作ができません。

また、データを取得した後は単なるstdClassオブジェクトや配列でデータが返されるため、

Eloquentモデルのようなメソッドやリレーションの扱いはできません。

メリット:

  • Eloquentよりも効率的でパフォーマンスが良い
  • シンプルなクエリには最適
  • 複雑なSQLクエリも手動で組み立てられる

デメリット:

  • モデルのようなリレーションシップを定義して利用できない
  • オブジェクト指向的なデータ操作が難しい
  • より多くの手動操作が必要

Eloquentとクエリビルダーの使い分け

  1. Eloquentを使う場合:
    • データベースリレーションを直感的に扱いたいとき(例:1対多、多対多)
    • オブジェクト指向的にデータを操作したいとき
    • ビジネスロジックがデータベースの複数のテーブルにまたがる場合
  2. クエリビルダーを使う場合:
    • 単純なデータ取得や更新操作が必要なとき
    • 高パフォーマンスを必要とする大規模なデータセットを扱う場合
    • Eloquentの柔軟性が不要な場合(たとえば、データの整形やリレーションがない場合)

具体例

  • Eloquentの場合(オブジェクト指向的に扱えるため、データ操作が直感的):
// ユーザーとその投稿を取得
$users = User::with('posts')->get();

foreach ($users as $user) {
    echo $user->name;
    foreach ($user->posts as $post) {
        echo $post->title;
    }
}
  • クエリビルダーの場合(SQLに近い形式で直接クエリを構築):
// usersテーブルから名前とメールを取得
$users = DB::table('users')->select('name', 'email')->get();

foreach ($users as $user) {
    echo $user->name;
    echo $user->email;
}

結論

  • Eloquentは、オブジェクト指向でデータベースの複雑な操作を扱いたい場合に非常に便利で、多くのLaravelプロジェクトではデフォルトの選択肢になります。リレーションシップの管理や、モデルごとのデータの取り扱いが非常に簡単です。
  • クエリビルダーは、シンプルなクエリやパフォーマンスを重視する場合に適しています。SQLに近い形で直接クエリを組み立てたい場合や、特定のパフォーマンス要件がある場合に有効です。

プロジェクトによって、状況に応じてどちらを使うかを選択するのがベストです。

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