こんにちは、かつコーチです。
SQL基礎編の35本、お疲れさまでした。
ここからは新シリーズとして、Oracle Database(オラクル社が開発・販売する商用のリレーショナルデータベース管理システム)を全6本で解説していきます。
「MySQLやPostgreSQLは触ったことあるけど、Oracleは名前しか知らない」という方も多いはずです。
この記事では、Oracle Databaseがどんなデータベースで、なぜ多くの企業システムで使われているのかを、初心者向けにやさしく解説します。
SQL文法自体はSQL基礎編で解説済みなので、ここではOracleならではの特徴に絞ってお伝えします。
Oracle Databaseとは?
商用RDBMSとしての位置づけ
Oracle Databaseは、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の一種で、表形式でデータを管理し、SQLで操作する仕組みは基礎編で学んだ内容と同じです。
MySQLやPostgreSQLとの一番の違いは、商用ライセンス製品であるという点です。
| MySQL / PostgreSQL | Oracle Database | |
|---|---|---|
| ライセンス | オープンソース(無料) | 商用ライセンス(有料、無料版あり) |
| 主な採用先 | Web系スタートアップ〜中規模サービス | 銀行・官公庁・大企業の基幹システム |
| サポート | コミュニティ中心 | オラクル社による正式サポート |
| 機能の傾向 | シンプルで軽量 | 高機能・高信頼性を重視 |
MySQL・PostgreSQLが「Web開発の現場で広く使われるOSS」だとすれば、Oracle Databaseは「止まると業務が止まる基幹システムのために作られたDB」というイメージを持つとわかりやすいです。
どんな現場で使われているか
Oracle Databaseは、次のような現場で長年採用されてきました。
- 銀行・証券などの金融機関の勘定系システム
- 官公庁・自治体の基幹システム
- 製造業・小売業の大規模ERP(統合基幹業務システム)
これらの現場では「24時間365日止まらないこと」「大量データを安全に処理できること」が最優先されるため、手厚いサポート体制と実績のあるOracle Databaseが選ばれやすい傾向があります。
Web制作の現場からキャリアを広げて、SIer(システムインテグレーター)案件やエンタープライズ案件に関わるようになると、Oracle Databaseの知識が急に必要になる、というのはよくあるパターンです。
Oracle Database 23aiの特徴
AI Vector Searchなど23ai世代の新機能
本シリーズでは、現行世代であるOracle Database 23aiを前提に解説します。
23aiの目玉機能がAI Vector Search(ベクトルデータを格納・検索できる機能)です。
これまでベクトル検索はPostgreSQLの拡張機能(pgvector)などが使われることが多かったのですが、Oracleも23aiで標準機能として取り込み、通常のリレーショナルデータと同じデータベース内でAI関連の検索を扱えるようになりました。
このほか、JSON関連機能の強化やSQL構文の簡素化など、開発者体験を意識したアップデートも多く含まれています。
Oracle Database Freeで無料学習できる
「商用ライセンス」と聞くと身構えてしまいますが、学習用にはOracle Database Free(旧称Oracle Database Express Edition、通称XE)という無料版が公式に提供されています。
商用版と比べて扱えるデータ量やメモリに制限はあるものの、SQLやPL/SQL(次回以降の記事で解説)の基本操作を学ぶには十分な機能を持っています。
本シリーズのコード例も、このOracle Database Freeでの動作を前提に確認しています。
導入・学習を始める前に知っておきたいこと
エディションの違い
Oracle Databaseには複数のエディションがあり、用途によって選ぶものが変わります。
| エディション | 想定用途 |
|---|---|
| Oracle Database Free | 学習・検証用(無料) |
| Standard Edition 2 | 中小規模のシステム |
| Enterprise Edition | 大規模・ミッションクリティカルなシステム |
エディションによって使える機能(パーティショニングや高度な監査機能など)が異なるため、企業の求人票や案件要件で「Enterprise Edition経験」と書かれていることがある点も覚えておくとよいでしょう。
ライセンス体系の複雑さ
Oracle Databaseのライセンス体系は、CPU数やユーザー数に基づく独自の計算方式になっており、正直なところかなり複雑です。
以前、企業向けのシステム提案でOracle Databaseの導入を検討した際、ライセンス費用の見積もりを取ったところ、想定していた予算の数倍の金額が提示されて驚いた経験があります。
「OSSなら無料で使えたのに」という感覚のままOracleの案件に入ると、コスト感覚のギャップに戸惑うことが多いので、初めて触れる方はこの点を知っておくと安心です。
応用・一歩先の使い方
クラウド版Oracle Autonomous Databaseの位置づけ
近年は、オラクル社のクラウド(OCI:Oracle Cloud Infrastructure)上で稼働するOracle Autonomous Databaseという、運用の多くを自動化したクラウド版サービスも普及が進んでいます。
パッチ適用やチューニングの一部が自動化されているため、従来型のオンプレミス運用に比べて運用負荷を下げられるのが特徴です。
本シリーズでは基本的にオンプレミス・ローカル環境でのOracle Databaseを前提に解説しますが、実務では「クラウド版か、オンプレミス版か」という選択も出てくることを頭の片隅に置いておいてください。
まとめ
この記事のポイント
- Oracle DatabaseはMySQL・PostgreSQLと同じRDBMSだが、商用ライセンス製品で金融・官公庁など基幹システムでの採用実績が豊富
- 現行世代の23aiではAI Vector Searchなど、AI関連機能の強化が進んでいる
- 学習用にはOracle Database Free(無料版)が用意されている
- ライセンス体系は複雑で、OSSとのコスト感覚のギャップに注意が必要
次に読むべき記事
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タグ: Oracle, 初心者向け, 入門
