こんにちは、かつコーチです。
「個人開発したアプリを公開したいけど、AWSって何から手をつければいいの?」という相談を、これまで何人からも受けてきました。
参考書を開くと「EC2」「S3」「VPC」といった見慣れないカタカナ・アルファベットの用語が並んでいて、最初の1ページで心が折れそうになる気持ち、よく分かります。
この記事では、そもそもAWSとは何なのか、クラウドとは何なのかという超基本から、個人開発でよく使う主要サービスの全体像までをやさしく解説します。
読み終わるころには「AWSって結局、レンタルできる部品の集まりなんだ」という感覚がつかめるはずです。
AWSとは?
クラウドサービスの基本的な考え方
AWS(Amazon Web Services、Amazonが提供するクラウドサービス群のことです)は、サーバーやストレージなどのIT設備を、インターネット経由で必要な分だけ借りられるサービスです。
昔ながらの開発では、自社でサーバー用のパソコンを購入し、部屋を用意し、電源やネットワークを配線して……という準備が必要でした。
これを「オンプレミス(自社の設備を自前で用意・運用する方式です)」と呼びます。
一方AWSのようなクラウド(インターネット経由でIT設備を必要な分だけ借りられる仕組みです)を使えば、こうした準備は一切不要です。
管理画面をクリックするだけで、数分後にはサーバーが使える状態になります。
なぜ個人開発でもAWSが選ばれるのか
個人開発の場面でAWSが選ばれる理由は、大きく3つあります。
1つ目は従量課金(使った分だけ料金が発生する仕組みです)であることです。
自宅サーバーのように初期投資は不要で、小さく始めて必要になったら拡張できます。
2つ目は無料枠が用意されていることです。
一定の範囲内であれば、費用をかけずに主要サービスを試すことができます(無料枠の詳細と注意点は後続記事で扱います)。
3つ目は、実務で使われている技術に触れられることです。
多くの企業がAWSを採用しているため、個人開発で慣れておくと、そのまま実務のスキルにつながります。
私自身、初めてAWSに触ったときは「クレジットカードを登録するのが怖い」という気持ちが強かったのですが、無料枠の範囲を理解してからは安心して触れるようになりました(その具体的な失敗談は次の記事で紹介します)。
AWSの主要サービスの全体像
コンピューティング・ネットワークの基本サービス
まずは、Webアプリを公開するときに必ずと言っていいほど登場する基本サービスを紹介します。
- EC2(自分専用のレンタルPC〈サーバー〉です):アプリケーションを動かすための仮想サーバーを、必要なスペックで借りられます
- VPC(会社の専用ネットワーク〈自分の土地〉です):AWS上に自分専用のネットワーク区画を作り、外部からのアクセスを制御します
- IAM(社員証と入退室権限の管理です):「誰が」「どのAWSサービスに」「何をしていいか」を管理する仕組みです
これら3つは、AWSでシステムを組む上での「土地・建物・鍵」のような存在だとイメージしてください。
ストレージ・データベースの基本サービス
続いて、データを保存するためのサービスです。
- S3(容量無制限の倉庫です):画像や動画、ファイルなどを保存しておけるオブジェクトストレージ(ファイル単位でデータを保存する仕組みです)
- RDS(管理人付きの倉庫です):バックアップや故障対応をAWSが代行してくれる、管理が楽なデータベースサービス
自分でデータベースサーバーを構築・保守するのは意外と大変な作業ですが、RDSを使えばその手間の多くをAWSに任せられます。
その他よく使われるサービス
- Route53(電話帳です):
example.comのようなドメイン名を、実際のサーバーの住所(IPアドレス)に変換するDNS(ドメイン名前解決の仕組みです)サービス - CloudFront(各地に置く出張所・配達拠点です):CDN(コンテンツを利用者の近くのサーバーから配信し、表示を高速化する仕組みです)として、世界中に配置された拠点からコンテンツを配信します
- Lightsail(EC2の簡易版・固定料金のレンタルサーバーです):VPCやIAMの細かい設定を意識せず、固定料金で手軽にサーバーを使えるサービス
サービスの数は数百以上ありますが、個人開発でまず押さえるべきはこの7つだと考えて問題ありません。
よくあるつまずきポイント・エラー対処
サービスが多すぎて何を使えばいいか分からない
❌ Before:すべてのサービスを一度に理解しようとする
AWSの公式ドキュメントやマネジメントコンソールを開くと、200以上のサービスがずらりと並んでいます。
私も最初にコンソールを開いたとき、左側のメニューの長さに圧倒されて、結局その日は何も触らずに閉じてしまいました。
✅ After:目的から逆算して必要なサービスだけに絞る
「個人開発のアプリを公開する」という目的であれば、最初に触るのはEC2・S3・IAM・VPC・RDSの5つで十分です。
目的から逆算してサービスを絞り込むことで、学習の負担が一気に減ります。
このシリーズでも、まずはこの5つを軸に、入門・セキュリティ基礎からIAM、VPC、EC2へと段階的に進めていきます。
応用・一歩先の使い方
個人開発の典型的な構成パターン
サービスの全体像がつかめてきたら、次は「組み合わせ方」を意識してみましょう。
個人開発では、大きく2つの構成パターンがよく使われます。
- 静的サイト(フロントエンドのみ):CloudFront + S3 + Route53 の組み合わせで、HTML/CSS/JSファイルを高速配信する
- 動的アプリ(バックエンドあり):EC2(またはLightsail)+ RDS の組み合わせで、サーバーサイド処理とデータベースを持つアプリを動かす
自分が作りたいアプリがどちらのパターンに近いかを意識しておくと、どのサービスを優先的に学ぶべきかが見えてきます。
コンテナ・CI/CDへの発展
さらに一歩進むと、ECS/Fargate(コンテナをサーバー管理なしで動かす仕組み)やGitHub Actionsと連携した自動デプロイなど、より実務に近い構成にも発展できます。
これらはDockerやGitHubの知識が前提になるので、余裕が出てきたら挑戦してみてください。
まとめ
この記事のポイント
- AWSはインターネット経由でIT設備を必要な分だけ借りられるクラウドサービスである
- 個人開発で選ばれる理由は「従量課金」「無料枠」「実務スキルとの直結」の3つ
- まず押さえるべき主要サービスはEC2・S3・IAM・VPC・RDSの5つ
- サービスの多さに圧倒されたら、目的から逆算して必要なものだけに絞るとよい
次に読むべき記事
- AWSアカウント作成とルートユーザーの安全な使い方
- IAMユーザー作成とMFA設定で不正利用を防ぐ
タグ: AWS, 初心者向け, 入門
