こんにちは、かつコーチです。
オリジナルのCSSやSassでユーティリティクラスを大量に用意すると、
使わないCSSが生成されてしまい、最終的にCSSファイルのサイズが肥大化することがあります。
しかし、その影響がどれほど問題になるかは、プロジェクトの規模やパフォーマンスの要件によって異なります。
今回は、その影響について解説します。
多少の不要なCSSがある場合の影響
- パフォーマンス面
現在のブラウザやネットワーク速度の向上により、数KBから数十KB程度の余分なCSSファイルがあっても、通常はユーザーにとって大きなパフォーマンスの問題にはならないことが多いです。しかし、CSSファイルが数百KB以上になると、ページの読み込み速度やパフォーマンスに影響が出る可能性があります。特にモバイル環境や低速なネットワークでは、CSSファイルの肥大化は注意すべき要因です。 - メンテナンス性
不要なスタイルが多くなると、コードのメンテナンスが難しくなる可能性があります。特にプロジェクトが長期化すると、どのユーティリティクラスが実際に使われているのか判断しづらくなり、結果として不要なスタイルが蓄積されることがあります。
不要なCSSの回避方法
- ユーティリティクラスを必要な分だけ設計する
最初からすべてのユーティリティクラスを用意するのではなく、必要なクラスのみ作成することを意識します。例えば、頻繁に使用するmargin
やpadding
のクラスのみを定義し、細かい調整が必要な場合には、その時にクラスを追加する方式が考えられます。 - CSSの最適化 (Purging) Tailwind CSSのようにビルド時に使用していないCSSをパージできるツールを使うことで、不要なCSSを削除することが可能です。オリジナルのCSSでも、これに類似した方法を採用できます。
- PurgeCSS:Tailwind CSS以外でも使えるパージツールです。HTMLファイルやテンプレートファイルの中で実際に使用されているCSSクラスを分析し、使われていないクラスを削除できます。これにより、余分なCSSの量を削減することができます。
- モジュールごとのファイル分割とローダー
Sassでは、必要なモジュールやユーティリティクラスをビルド時にファイル単位でインポートすることができるため、無駄なクラスの生成を避ける設計も可能です。例えば、必要なユーティリティクラスだけをインポートして使うようなスタイルガイドを作成することが考えられます。
多少の不要なCSSが問題になるかどうか
実際のところ、多少の不要なCSSは、小規模〜中規模なプロジェクトではそれほど問題になることは少ないです。
以下の点を考慮して判断するのが良いでしょう。
- パフォーマンスが気になる場合:もしモバイルや低速なネットワーク環境でのパフォーマンスが重視されるなら、Purgingやファイルサイズの最適化を検討する価値があります。
- 開発スピードとメンテナンス性:不要なスタイルがあっても、それが大幅なパフォーマンス問題を引き起こしていない限り、開発効率やメンテナンス性を優先してユーティリティクラスを充実させることも選択肢です。再利用性が高まるので、結果的に工数削減にもつながります。
結論
多少の不要なCSSがあっても、パフォーマンスに大きな影響が出ない限り、
大きな問題にはならない場合が多いです。
しかし、プロジェクトが大規模になる場合や、特にモバイル向けの最適化が求められる場合は、
PurgeCSSのようなツールを使って不要なCSSを削除するか、
必要なクラスのみを生成する設計を導入することが効果的です。
最終的には、パフォーマンスの要件やチームの開発方針に応じてバランスを取るのが良いでしょう。